卒業生子弟の優遇入試を廃止する米難関大は少数
〇日本人には馴染みがない米難関大の動き
ウェズリアン大学が卒業生子弟の入試加点を廃止する方向とのTheNewYorkTimes記事が出ていた。
んっ、聞いたことないぞ?というのが正直な日本人の反応だが、教養学部では全米1位にランキングされたこともある少人数教育を売りとする難関大学である。
アマースト大というマサチューセッツ州にある教養学部で有名な難関私立大学も最高裁判決を受けて加点廃止の方向。
米大学院卒の小生も知らないくらいなので、米留学による学歴ロンダリングを図る富裕層がいるわけだ。アイビーリーグの大学名を全てそらんじることが出来る日本人など殆どいないので。ドヤり目的の場合は、ぶっちゃけハーバード以外どこ行っても一緒と割り切ることもできるわけです。
〇ほとんどの米一流大学は優遇措置を継続
話がそれたので元に戻すが、MITとCIT、アマースト大 ジョンホプキンス大、カーネギーメロン大ぐらいが優遇措置廃止しただけで、殆どの米一流大学は優遇措置継続の方向。ハーバードでは、卒業生子弟は合格率34%で、一般応募の5倍以上の合格率になっている。
卒業生子弟の加点理由としては
・世代をまたがり大学カラーの強化が可能であること
・寄付が得られやすいこと
とのことだが、別に親子が同じ大学だからって大学に寄付しようという考えにはならないけどな。実際それを裏付ける調査結果もある。
廃止の方向に向かっているのは、元々そんなに激しい加点をしていない大学だし、大学経営の根幹に関わるような措置でもないだろう。実際アマースト大は5000億円以上の基金という強靭な財政基盤があるから、対応可能だったというのは学長も認めている。5月には、コロラド州が法律で国公立大学の卒業生子弟加点を禁止した。
しかし一方で、寄付者優遇はやめられない。お金は必要なので。これは大学経営の根幹に関わる。私立はもちろん、公立の大学であろうと、政府による補助金額が削減されているので、高額の授業料や寄付に頼らざるを得ないのだ。